どんなちいさい情報でも。

コリエレ紙がイタリアのメディアであったということで、やっぱり最後まで書いておくことにする(ちなみに対抗馬のリプブリカ紙の4月25日のパンチェン・ラマに関する記事は非常に平衡感覚のある記事だった)。また、「さらに、こういうことがあった場合」のために忘れないためにも記録に残しておきたい(わたしの脳は記憶領域がいまだに120ギガってところで、新しい情報が入ると、昔の情報は潜在意識に押しやられてしまい、いったいどこにファイルがあるのか分からなくなってしまうのだ)。そしてこの一連の騒動についての言及はこれで終わりにしたいとも思っている。ただし、件の島津氏がいったい誰で、何をしている人で、どこからこんな情報を得たか知りたいとは願っている。友人が、「もう消されたんじゃない」などと言っていたが、その時は、あははは、と笑いながらも、あとで嫌な気分にもなった。


さて、昨日、29日のMontecitorioのプレスルームでの、亡命政府民主議会、副議長ドルマ・ギャリ氏のお話を以下に簡単にまとめておく。
1995年に誘拐、拉致されたパンチェンラマ11世、ゲドウン・チュキ・ニマの消息を、わたしたちは何ひとつ知らない。何も情報が入ってこない。したがってコリエレ紙の報道をこちらで伺って、大変に驚いた。詳細を知りたいと思っている。 


わたしは今ここに、2008年、3月以降にチベット内部で起こった一連の抗議活動により、中国政府により不当に逮捕された人々のリストを手にしている(昨日のメイルでは、人権センターのリストだと書いてあったけれど、両方のリストが公開されたのかもしれない。よく確認できませんでした。すみません)。政府が確認している約5600人の人々の名前、生年月日、住所を記したリストである。なお、わたしたちが把握しているのは約5600人だが、チベット人権センターが確認しているのは約6500人もの人々の逮捕者のリストである(その差が、約1000人というのも大変な驚きだ)。一方、中国が公表しているのは約1300人の逮捕者の名前。(その差はなんと約4300人!)

なお、リストは
www.radicali.it
で公表されるということ。

もちろん、この莫大な逮捕者の数字も大切であるが、わたしたちが大変心配しているのは、わたしたちが把握しながら、中国が公表していない4300人の人の安否なのである。逮捕者としてリストにも上がらず、消息不明になっている人たちのことである。その人々がいったい何処にいるのか、何をしているのか、どうなってしまったのか。それを知りたいのだ(これはどう考えても、この状況は尋常じゃない。わたしたちは日常、そんなことが中国内で起こっていることを知らずに暮らしている。どうして世界のメディアは報道しないの? )。逮捕者、また行方不明者の安否を即刻公表することを中国政府に要求する。


またそれとともに、最近、公正な裁判の手順を踏む権利も与えられず、死刑の宣告を受けた青年たちの即刻の解放を要求する。

最後に、「それからメディアの方々に心からお願いしたいことがあります。もし情報をお持ちであれば、パンチェン・ラマ11世に関する、どんなちいさな情報でもいいから、わたしたちに教えていただきたい。どうかお願いいたします」
そう、ドルマ氏は付け加えた。


拷問、誘拐、不正逮捕、消息不明、偽物、嘘、秘密・・・・。こんなことが当たり前のように行われる国に気に入られるために、見て見ぬ振りをしていると、あとからひどい目に合うのはわたしたちだ、そう思っているのはわたしだろうか。実際、中国『初の人権改善計画』だなんて聞いてあきれるよね。