今日はメーデー

というわけで、労働者のわたしは当然の権利として、今日は一日休んで、ローマ近郊の田舎へ空豆とチーズを食べに行った。何故かイタリアではメーデーの日、友人が集まって(労働者仲間の)、ナマの空豆(へんな感じだが)とペコリーノを食べる風習がある。由来は不明だが、友人が集まる口実でもあって、わたしの労働者仲間たちは、昼間からおそろしい勢いでワインを飲んでは、一日じゅう喋るだけ喋って、笑うだけ笑って過ごしていた。残念ながらわたしはお酒を一滴も飲まないので、ナマの空豆ばかりを食べていた。


ところで、今日中国関係の記事をいくつか読んでふと思ったことだが、みんなずいぶん中国を過大評価しているのではないのか。中国政府は世界一、嘘つきで残忍で非道には違いないが、今に世界を凌駕する!と誰もがあまりに恐れすぎのような気がする。実体がよく分からないものは人の恐怖心と想像力をかき立てるが、これも数々のパフォーマンスと同じく、ひとつの中国の策略なのでは? 数ヶ月前のエコノミストによると中国は現在GDP4位(昨日書いたときは、3位と書いていたが、すっかりドイツの存在を忘れていた。ほら、わたしも過大評価してしまってるーのちにやっぱり3位だったと判明したが、2007年にドイツを抜いたんだそう。でも、GDP水増し疑惑もあるから、本当にところはどうか分からないけれど)でも、国民一人あたりのGDPは、100位以下の国なのだ(確かアルバニアの次だったと思う)、まだ。イタリアではこの数日、景気が底を打ったかもということ以外、中国関係の記事がほとんど新聞に載らない。われわれの想像力が「中国」そのものより数倍大きい架空の巨大な「中国」を形成しているのかもしれない、内情はひどく脆い状況、危ういシステムだからこそ、分裂症的な症状を示しているのではないか、とナマの空豆を食べながらぼんやりと考えたメーデーであった。