ここ数日の、いろいろなこと。

オバマ大統領の欧州訪問と重なったり、EU議会の選挙と重なったりして、こちらのメディアでは、あまり法王が授与なさったパリ名誉市民についての報道はなかったが、それでもBBCやCNNの記事で読めたし(むしろ日本のサイトを検索したほうがたくさん記事がリサーチできて、欧州での授与だったのに、日本では各メディアがチベットに興味を持っていることをとても誇りにも思った。ここはひとつ東京都あたりが、法王に名誉市民を授与していただきたいとも思う)わたしはたいそう嬉しく思った。相変わらず中国政府は、中仏関係が悪化すると抗議しているようだが、ボイコットだの何だのと嫌がらせはするかもしれないけれど、どうせたいしたことは起こせないに決まっている。『G2』なんて世界の注目を存分に浴びる今では、中国政府だって、もちろん「国交断絶」、みたいな乱暴なマネはもはや不可能だろうし、だいたいパリはフランスの一自治体で、国家ではない。今後は、モラル的にも『G2』に相応しい行動をとってくださることを、中国政府に期待する。


ところでレプブリカ紙によると、オバマ大統領は、パリに到着した日、サルコジが提案したエッフェル塔にあるレストランでのプライベートな夕食を断ったらしいよ。なんでもノルマンディのための式典に、サルコジ大統領がエリザベス女王陛下に招待状を出すのを忘れたとか(!)で、あとから色々手を尽くしたが、結局チャールズ皇太子だけが出席するという運びになったということ。オバマ大統領はその女王陛下を気遣って、サルコジ大統領の招待を断ったという話だった。オバマ大統領はパリではビストロで食事をしたり、リムジンのなかでサンドイッチ(のようなもの)を頬張っているところを撮影されたり、欧州の庶民には大人気で迎えられ、「まるで世界の大統領みたいだな」と人々からはため息もこぼれていた。


そうそう、EU議会の選挙も、イタリアではまったく盛り上がらず、昨日一日話題になったが、あとは何事もなかったように各メディアも日常に戻った。ちなみにチベットのサポートをしているPartito Radicaliは成績がよく、それでわたしはほっとして、あとはもうどうでもよかった。そもそもイタリアの政治には、すっかりうんざりしている。


さて、明日ローマには、かのリビアカダフィ大佐が来て、ローマ大学で討論会を開いたり、市庁舎に出向いたり、外相に会ったりするみたいで、ベドウインのテントを張って来客を出迎えるらしい。リビアとイタリアは石油、天然ガスのトレードで合意していて(さらにリビアは、このところの金融危機で、イタリアの銀行の資本をサポートもしているはず。記憶が定かではないが、そういう記事をかつて読んだと思う)、今回の大佐の訪問は両国の友好を目的としているようだ(初めてローマを訪問するということ)。しかしカダフィ大佐の昔の評判を知っているわたしとしては、元宗主国であるイタリアとリビアの取り合わせはぎょっともする。そういえば息子はイタリアでサッカー選手をしていた(現在はどうなのか定かではない。わたしはサッカーはあまりくわしくないのだ)し、そもそも深い交流がある。


しかしカダフィ大佐という人物はわたしの関心から非常に遠く、最近の動向をほとんど知らず、したがってほとんど興味もないので、明日は久しぶりにこちらのチベタンコミュニティ・プレジデント、トップテン氏に会うことのほうが、断然嬉しい。何かためになる話を聞くことができれば、アップしたいと思っている。