ダライラマ法王はチベットの『民主主義』を望んでいらっしゃる

6月21日のワシントンポストに、ダライラマ法王の記事が掲載されている。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/21/AR2009062100113.html

そもそもダライラマ法王は民主主義の理念の元に亡命政府を構築、運営することを常にサポートなさってきたが、ここ数年は特に、これから訪れるチベットの未来のためにも、現在のチベットの人々がそれぞれが、しっかりとした意見を持ち、『民主主義』をベースに確固とした政治体系を築くことを希望していらっしゃる。

要所を訳します。

今週の土曜日にダラムサラで、法王はビデオクリップで、数百人の僧侶、尼僧、俗人に民主主義のシステムにより、新しいリーダーを決定することを鼓舞されたそうだ。それが世界の大部分の国々に亡命政府が歩調を合わせ、政府を維持するためには大切なことだと法王はおっしゃった。
ダライラマとという400〜500年続く世俗的、宗教的リーダーを持つ制度は、いままでは有益であったが、その時代は終わった」
「今の時代は民主主義が、最高のシステムだということは明らかである。チベットの人々も世界の他の国々のように変わっていかなければならない」

ダライラマ法王は彼が亡きあと、チベットの人々がダライラマの制度を維持していくかどうか決める前に、海外に居住するチベットの人々も含め、選挙をして決めることもできると提案された。

また法王自身が、亡命政府のメンバーのなかから、あるいはある一定のランクに達している学僧(高僧)のなかから選ぶことも考えられる。これで伝統的で神秘的な後継者選びは無くなるのだが。

「現実的に、ダライラマという一人の人物に、すべての責任を課すことは危険すぎる。人々を率先していくリーダーは、人々が民主的に選ぶことが望ましい」と法王はおっしゃる。

ダライラマの後継者選びは、大変デリケートな問題だ。ダライラマという地位の空白につけこんで、中国がさらにチベットを締め付けるのではないかと大勢の人々が恐れを抱いている。
中国側は「ダライラマは伝統にのっとって、会議を開いてダライラマの後継者選びをすべきだ」と主張しているが、それは北京政府の後見人も含め、清王朝時代に皇帝から贈られた金の壷のなかから籤引きで決定するというものだ。

しかしダライラマは、彼の生まれ変わりは中国国内には生まれないだろうとし、まず、チベットの人々が、ダライラマという制度を継続するかしないか、投票によって決定することもできる、と述べている。

チベット亡命政府は2001年より選挙により今期二期めの元首相サンドン・リンポチェを決定しているが、
ダライラマが存在する、しないにかかわらず、選挙は5年毎に行われる。そのシステムにより亡命政府のシステムは安全で安定し、また長期間継続する」と法王は土曜日公開されたブロードキャストクリップで、おっしゃったのである。