パンチェン・ラマ十一世 すでにご崩御。 何これ? イタリア・コリエレ紙報道 

チベット青年から、YOICHI SHIMATSU って誰? corriere della sera すぐに見て!というメイルが来たので、さっそく電子版へ出かけると、

パンチェン・ラマ11世はすでにご崩御、本物のパンチェン・ラマは北京が選んだパンチェンラマだけだ。
という驚愕の記事が掲載されていた。 

corriere紙というのはイタリアの、最もハイレベルな知的階級(っていう階級があるならば、の話だ)の人々が好んで読む信用のおける新聞とされている。とりいそぎ、訳します。
大急ぎゆえ、文章に乱れあり、多少間違いもあるかと思いますが、大筋、以下の通りです。

http://www.corriere.it/esteri/09_aprile_20/panchen_lama_vero_del_corona_4dbaa8e2-2d82-11de-b92c-00144f02aabc.shtml


パンチェンラマはすでに亡くなっている。したがって、今現在、パンチェンラマはたった一人だけだ!

Lo dice Yoichi Shimatsu documentarista e già direttore del Japan Times Weekly
ジャパンタイムスウィークリー紙の、元ディレクター、Yoichi Shimatsu氏語る(誰?この人)

DAL NOSTRO CORRISPONDENTE(特派員発)

子供のころのパンチェンラマ11世、Gedhun Choekyi Nyima:現在、20歳になっているはずだ(写真のサムネールとして)


北京ー「現在のダライラマ14世の特使により選ばれたパンチェンラマは、すでに亡くなっている。だから中国が選んだパンチェン・ラマが、現在唯一のパンチェンラマである」 これは北京のQuinghua大学で行われた、チベット問題のために提議された、「ジャーナリズムとコミュニケーションのための会議」にて、Yoichi Simatsu氏により発言されたものだ。その会議は、中国、また西側の研究者をはじめ、一組の外国人特派員(corriereもそのひとつであった)が招かれ開催されたもので、重要なテーマを忌憚なく発言し合うというものであった。1964年に胡錦濤がエンジニアとして卒業したこの大学でのこの会議は、非常に重要な会議であると位置づけられている。


それはさておき、ドキュメンタリストであり、またジャパンタイムスのディレクターでもあるSHIMATSU氏は、彼が知っているという『真実』を(したがってcorriereはこのニュースを断定しているわけではない)、この会議ではっきりと述べたのだが、1995年にダライラマから認知されたGEDHUN CHOEKYI NYIMAは、中国政府の保護監察下におかれ、隔離され、外部との接触を完全に遮断され、「世界で最も年少の政治犯」としてその『人権』保護を、多くのNGOより告発されている。


現在、20歳になっているはずのGedhun Choekyi Nyimaは、ずいぶん前に、ガン、或は白血病で亡くなっている。Shimatsuは、会議の席でそう発言した。この事実は、チベット側から、また中国側からも面子を保つために今まで伏せられていた。中国側としては監視下にある子供を死なせてしまったということを外部にもらすまいとして、チベット亡命政府側は、彼らの宗教的リーダーの系譜が崩れ、彼らの選んだパンチェンラマを失うのを恐れて、というのが双方の、この事実を外部に漏らさない理由だ。

この事実は、現在のところ、中国側にも、チベット亡命政府側にも真偽の確かめようがない。この少年はいままで公衆の面前に現れたことはない。彼はすでに死去している、という噂はすでにあちらこちらで囁かれていた。しかし、Shimatsuは、「わたしの情報源は非常に確かなものだ」と自信を持って語る。ヨーロッパの国ではないが、ある西側の国の外交団が、北京の要請により、少年を治療するために一定期間、医師を送っていたという。これはすべて事実だ、と。



この西側の国というのは、キューバか、ベネゼイラと思われる。しかし重要なのは、宗教ー政治、その両者の関連と成り行きである。別のパンチェンラマ11世が、95年に北京により任命されているが、その現在19歳のGyaincain Norbuは、つまり敵対する相手がもうすでにいない、というわけである。
北京は「西側にちやほやされている」、死ぬほど大嫌いなダライラマに反撃する用意はすでにできている。ダライラマと北京の闘い(公式発表)はいったいどこで行われるか、そしてそれはいったいどんな闘いなのか。

Marco Del Corona
20 aprile 2009


4月25日は、パンチェンラマの誕生日である。しかも今年は亡命政府50年。
匂う、匂う、政治的な背景がぷんぷん匂う。すごく嫌な感じ。さて、このShimatsu氏の発言に関して、両政府から、正式な公表はあるのか。それともたわごとなのか。