中国、ミャンマー経由のパイプラインなど、さまざまな記事から

MSN産経ニュースの記事。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090618/chn0906180011000-n1.htm

(抜粋)
中国とミャンマーは今年3月、石油や天然ガスのパイプライン建設に関する合意文書に調印した。第一財経日報などによると、中国大手石油会社、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)関係者が15日、約20億ドルをかけたプロジェクトが9月に全面着工されることを明らかにした。

パイプラインはミャンマー西部の港湾都市シットウェーから中部マンダレーを経由して中国雲南省に入り、大理を通って昆明に達する。全長は約1100キロに及び、年間2000万トン、1日約40万バレルの石油輸送を見込む。天然ガスのパイプラインは2012年にも完成する見通し。最終的に広西省南寧まで延長され、年間120億立方メートルの輸送を予定している。
(詳しくはMSN産経のサイトへどうぞ)

先日のシャングリラ鉄道の記事もそうだけれど、中国は資源を独り占めするつもりなのだ。さらに鉄道は軍事的にも大変な威力を持つ。確かカザフ方面にもパイプライン(道路だったっけ)が作られているようだが。アジアを網の目のように中国に向けて道路や鉄道やパイプラインが走るのだ。「すべての道は北京に通ず」なんてローマ帝国の構造を模倣しているのではないかと思えるほど。


そしてビルマ。今の軍事政権が、いかに中国と深い関わりがあるか、一目瞭然だ。だからスーチーさんの裁判は彼女一人だけでなく、ビルマの、そしてアジアの未来のバランスのためにも大切な裁判なのだ。まったくチベットのケースと同じく、スーチーさんの「人権」の問題はアジアの未来の経済をも決定するかもしれないくらい重大。アメリカに完全従属しているのなら、日本政府はもっとチベットビルマに働きかけるべきだと断固と思う。早く外交のカリスマが現れないと、日本はアジアの「ディズニーランド」になってしまうぞ。平和なわりに意味不明の猟奇殺人事件がやたらに多いヴァーチャル社会っていうか。あるいはアジアの「ツインピークス」(古い)とか。そのうち九州が広東省の一部にいつの間にかなっていた、なんて笑えないことが起こるかもしれない。


ところで中国は各メディアで「環境問題に取り組む」などというポジティブサインを出しているが、チベットの状況は変わっていないどころか、悪化の一路をたどっている。労働強制収容所の状況はいまだに変わっていないし、どんなに表にポジティブで明るいニュースが流れてこようと中国は、世界大二位の軍事予算を誇る独裁政権であるには違いない。わたしは北朝鮮の現在の状況も、結構緻密に繋がっているんじゃないかと踏んでいる。これも疑ってかかって間違いない、という方針でだが。

新華社
http://news.xinhuanet.com/english/2009-06/17/content_11558020.htm

上の記事では21,7百万ヘクタール、チベットの18%にあたる領域が砂漠化しているというラサからのレポートが掲載されている。森林の伐採と、鉱物の乱獲がその原因である。現在砂漠化している地域を緑化していこうという計画があるそうだが、中国では「新聞で信じられるのは日付だけ」という冗談があるそうだから、わたしもそれに倣い、新華社の記事ということで、わたしは疑惑を持ちつつ読んだ。ひょっとしたら事態はもっと厳しいかもしれない。

http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=24939&article=China+Communist+Party+newspaper+to+expand+coverage

さて、こちらの記事は、中国は世界にさらに影響を与えるためにメディアシステムを構築するために数十億元を投入。CCTVをはじめとするメディアが、CNNやBBCにも劣らぬインターナショナルシステムの構築を目指しているようだ。しかし、CNNもBBCも基本的には「表現の自由」というユニバーサルなモラルのもとに報道がなされているが、中国のように共産党一党独裁で、表現の自由もなく、思想、宗教の自由も制限されているのに、いったいどうやって世界に影響を与えようというのだろう。だいたい世界の人々は、そのニュースを信じるのだろうか。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1210

さらにこのJBプレスの記事のファイナルシャルタイムズの訳はなかなか面白かった。結びの北京タイムズの社説の引用文は、あれあれ? 中国様がそんなこというなんて、という感じでもある。少々長いが、読む価値ありです。



ところでil sole 24 oreでは、インド、ロシア、中国、ブラジルがもっと安定した国際共通基軸通貨システムを世界にせかしているとあるが、http://www.ilsole24ore.com/art/SoleOnLine4/Economia%20e%20Lavoro/2009/06/cina_india_brasile_russia-no_dollaro_moneta_mondiale.shtml?uuid=53506190-5aa8-11de-8cbc-7a16e32a62f6&DocRulesView=Libero
日本ロイターでは、ロシアはしばらくはこのままドルの基軸通貨体制は変わらないだろう。将来的に中国元とロシアルーブルの価値が増すだろう。ぐらいの発言をしているということだし、http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090617/erp0906172355004-n1.htm ここでは、中ロが原油などをドルではなく、自国通貨で決済することを検討しているとある。このあたりはいまひとつまだ理解できないので、ちょっと他にもいろいろ記事を読んでみたい。


しかしイランも大変なことになっている。この動き、またイスラエルの動きなども、すべてひとつに繋がっている。つまりシンボルとしてのG2の静かな闘いである(イスラム社会と中国はオイルを通じて繋がっているのは周知の通り。まあ、ロシアも見え隠れしているけれど)。わたしは、断然オバマ大統領側。現在ラサにアメリカ領事館を作ろうという動きがあるようだが、力づくででも、ぜひ実現させていただきたいものだ。


それに引き換えイタリアときたら、第二のノエミ・レティッツイア、みたいな女性が現れて、メディアは首相に「真実を話せ」と攻撃している、というレベルである。また昨日は地震被災地の人々が国会の前で、「まったく誠意がない対応。われわれは大変困難な状況にいる」とデモをした。ラクイラの倒壊せず残った家の家賃は二倍に跳ね上がったらしい。