チベットに熱いローマ  The 5th World Parliamentarians Convention on Tibet

ブログを書かなくなって、あっという間に4ヶ月が経とうとしていて驚いている。光陰、矢のごとし。時間が経つのがあまりに早いので、気がつかないうちに地球の自転が早くなっているのではないか、とも思わず考えた。

ここ何ヶ月か、ブログを書かなかった一番の理由は、というと、ブログを書くうちに細部の情報に目を奪われ、大局を見失いそうになっていることに、ある時はっと気づいたからだ。さらにある時点から、ブログというメディアに飲み込まれてしまうような、心理的な圧迫感を感じた。そのうえ気も散って、個人的などうでもいいようなことを書き始めたうえ、繰り返しも多く、これではあまり意味がない、と自制することにした。
ブログを書かない間、TwitterにTryとも思っていたが、いまひとつTwitterを使いこなせず、結局Facebookのみに終始した。しかし、訳そうと思っていたチベット医学と西洋医学の接点に関するPagliaro先生の論文が中途半端になっているし、今後、かなり間があきながらの更新になるとは思うが、気長に続けていきたいと思っている。また、イタリア発のニュースがあれば、UPしていきたいとも思っています。


ところでずっとブログを書いていなかったので、ハリシュマはチベットのことを忘れて、ぶらぶらサハラ砂漠にでも出かけたんじゃないかと思っていた、というようなメイルを日本の友人からいただいたりもしたが、実はほとんどじっとローマに居た(仕事で圏外に出かける以外は)。そして忘れるどころか、むしろチベットのことしか考えていないというような日々を過ごしていて、しかもこの傾向に、ちょっと困ってもいる。というのも他にもいろいろ勉強しなくてはいけないことがあるのに、さて、始めるか、とコンピュータの前に陣取り、チベット以外の勉強に着手した途端、ZZZZ・・と眠たくなってしまうからである。したがって、この傾向をしばしば反省もしていて、最近は『禁チベット』の時間を個人的に設け、一日のうち数時間は、気になってしかたないチベットから遠ざかるという難行を決行ちゅうだ。チベットとはいえ、『執着』はやはりいけない。また大局が見えなくなってしまう。


さて、この4ヶ月の間、ローマにいながら、チベット文化のいろいろな側面を見たり、聴いたりする機会があった。また、シエナで開催された民主主義のワークショップに参加するために訪れた、インドで学ぶチベット人の大学生、院生たちにも会う機会があった(彼らはモティベーションが崇高で、まるでスポンジのように、あらゆることをぐんぐん学ぶ素晴らしい学生たちで、わたしは心から感動した)。さらに他にもチベット人のいろいろな方にお目にかかったり、お話を聴きに伺ったりもした。このようにチベットにも、インドにも一度も行ったことがなく、ローマにいながらチベットのさまざまな面を知ることができるのは、Tibet Issueが訴える本質がユニバーサルな価値観に合致していて、その事実がイタリアの人々におおいに理解され、また大切にされているからだと再確認する。実際、Tibet Issueに何らかの形で関わるということは、今現在のダイナミックな世界の動向、そして息吹きを感じることでもあると、ローマに居ながら常々わたしは考えるのである。


もちろん、Tibet Issueはローカルな問題であるが、中国が世界にこれほどの影響を持ち得るようになった(と思われる)この時点で、あらゆる世界の問題(環境問題、人権問題、核問題、国際法の問題など数えきれないほどの問題)を凝縮した世界の今後の指針を示すKey Issueだとわたしは信じている。日本人であるとか、イタリア在留外国人であるとかいう以前に、これほど世界が狭くなった今、政治的国境を超えるスタンスに立ったうえで、新しい千年紀に生きる人間の一人として、Tibet Issueに責任のある態度をとるべきだと思うのだ。


ところで、Phayulなどでもニュースとして言及されているが、11月の18日、19日の両日、ローマにて、世界30カ国を超える参加国から133人の議員を迎え、またチベット亡命政府からは15人の代表者が参加し、The 5th World Parliamentarians Convention on Tibet「第五回世界議員チベット会議」が開かれた。これはイタリアのPartito Radicale(革新党と一応訳しておきます)、かのリチャード・ギア氏がチェアマンを務めるICT(International Campaign for Tibet)、チベット亡命政府議会により企画され、実現したもの。

会議の公式ステートメントは → http://www.savetibet.org/media-center/tibet-news/rome-declaration-tibet

また、以下のサイトでは、会議の全てをヴィデオで観ることができる。英語ヴァージョンをリンクしておきます。

The 5th World Parliamentarians Convention on Tibet VIDEO
第一日目
http://www.radioradicale.it/scheda/291299/quinto-congresso-mondiale-parlamentare-sul-tibet-sessione-inagurale-e-plenaria-prima-giornata-versione-in-

第二日目
http://www.radioradicale.it/scheda/291300


法王のスピーチはもちろん、錚々たる面々の大変に意義深く、熟考を迫られるスピーチが多くあり、チベット問題に関わっている方々だけではなく、たくさんの方々に見ていただきたい内容だ。
会場はイタリア政府、下院議会で行われたが、会議の行われる前に、下院のフィーニ議長は公式にダライラマ法王と会談し、会議の会場まで法王の手を取り誘った。日頃、イタリアの政治の混乱に、もう政治関係のニュースを追うのはやめよう、と思っていたわたしだが、このニュースは大変に嬉しく、ローマに住んでいて本当に良かった、と思った。何より法王はローマの名誉市民なのだ!


法王のスピーチをはじめ、その他の重要なスピーチを聴き、個人的にいまいちど再確認したことは、わたしたちは決してアンチチャイナではないということだ。むしろ、チャイナを助けよう、という気持ちで関わっていかなくてはならない、そう思ったのだった。実際、対立からは悲劇以外に何も生まれない。チベット問題を解決することは今後のチャイナにとって、名実共に世界に君臨するための大切な道のりになるはずだ。


そういうわけで、他にもいろいろ書きたいことはあるが、またおいおい書こうと思っている。今日のところは会議のサイトの紹介をまず。この先、本当にゆっくりになることと思うが、少しづつ更新していければ、と思っている。


そして最後になりましたが、ブログを書かない間にも、訪問をしてくださった方々がいらっしゃったことに、心より感謝しております。
本当にありがとうございました。