チャットで懲役3年? これはひどい。

今日、Phayulを読んでいたら、チャットサイトにダライラマ法王関連のファイルをプロフィールに載せていたチベットの青年が懲役三年の刑を受けたという記事があった。
http://www.phayul.com/news/article.aspx?id=26116&article=3+years%27+imprisonment+for+2+Tibetans+for+Dalai+Lama+contents+on+chat+site
その他にも数人の十代の青年たちが当局に連行されて行方知れずになっているということ。チャットサイトにファイルを載せていただけで懲役? 行方不明? 絶句した。


今後の世界を担うネット世代の青年たちの表現の自由を、こういう形で奪うなんて、なんということだ。自宅で誰か友人とチャットしていると、突然ポリスが訪れて、うむも言わさず連行されそのまま行方知らず、なんて、ネットこそが世界の動脈となり(今やクリックひとつで、勘定不可能な巨額のお金が世界じゅうを循環し、あらゆる事件のニュースも情報も一瞬のうちに駆け巡るのに)、人類をひとつの有機体として機能させている新千年紀に、時代錯誤も甚だしい蛮行だ。


血液の循環を無理に止めると人間の身体が少しづつ蝕まれていくように、ネットに載せた人の想いを無理にせき止めると、やがてそれは全体を致命的に蝕むかもしれない。自己中というコンセプト、それに伴ういかなる形の暴力も、もはや時代遅れだ。人と人の間で伝達される情報がネットという異次元の織物に見事に編み込まれ全体を形成する時代には、それははっきり言ってアウト。もはやわれわれは、ネットというヴァーチャルなフィールドで、観念的にではなく、物理的に繋がっている。ネット上では政治的国境こそが、現実ではなく「観念」だ。そんな時代に、中国当局の、このいつまでたってもネットをデュアルにしか捉えられない姿勢は、人類の未来にもフィルターをかける『蛮行』以外の何ものでもない、と強く意思表示したい。