ミラノで「人権」デー

さすがにこの数日、仕事も含め、あちらこちらを駆け巡ってくたびれてしまった。そしてくたびれてもくたびれても、目の前にある「やるべきこと」はただ積み重なっていくのみで、うんざりしている。


しかしイタリア暮らしが来年で14年めになるわたしは、だからといって自分のやりたいことを犠牲にはしないのだ。イタリアで学んだ最もよい習慣は、何より「わたしの都合」が大切だという姿勢だ。こちらに来たころは、仕事の約束なのに、「今日は娘の誕生日だからキャンセル」などと当然のような電話がかかってくると、「娘の誕生日」と「仕事」とどちらが大切なんだ、とむかっとしていたが、最近は「しかたないよね、娘の誕生日なら」と、わたしも素直に納得する。

そういうわけで、忙しいなかミラノのヨーロピアチベタンカップにも、最近開通になったばかりのイタリアの新幹線フレッチャ・ロッサ*に乗って、勇敢に日帰りで行ってきた。(*ローマ、ミラノ間、3時間という触れ込みだったが、実際は3時間30分かかった。イタリアの汽車がオンタイムに目的地に着くことは、『奇跡』である)


結果はイングランドチームが1位、イタリアチームは残念ながら参加3チームのなかで、第3位に終わってしまい、みなちょっとがっかりしていたが、それでもスイスや英国からやってきた、たくさんのチベットの若者たちがわいわい楽しんでいて、健康的でよいなあ、とわたしも楽しんだ。


そのあとは、みなで遅めの昼ご飯を食べて、チベタン・コミュニティのミーティング。イタリアチベットコミュニティの新代表ケルサン嬢の紹介や、最近の活動のスライドを観たり、欧州ダライラマ事務所代表のお話を聴いたりして、「人権」デーを過ごし、いまいちどTibet Issueの大切さを噛み締めた一日であった。


ところでローマに帰るとイタリア首相がミラノで暴漢に襲われたとのこと。精神を逸した輩が起こした事件だが、いずれにしても暴力は良くない。こういうニュースは後味が悪いね。


●さらに今日15日、火曜日のニュースをここに追加すると、騒動を起こした輩は、イタリア首相に「ごめんなさい。僕は卑怯者でした」というような手紙を書いて謝ったとのこと。したがって、とりあえずは一件落着ということだ。


ちなみに今日もローマではチベット関係のイヴェントが開かれる。チベットの写真集のプレゼンテーションだが、お友達のジャーナリスト、カルロ・ブルディリーニ氏(最近、ちょっと電話で口論したので、ごめんなさい、の意味もこめて参加)と、これまたお友達のローマのチベットの青年がスピーチするので、どんなにやることが山積みでも、やっぱり出かけるのであった。