胡錦濤、G8参加せず。急遽帰国。

ローマ、ピサ、フィレンツエとイタリア各地を訪問した胡錦濤だが、多数の死傷者を出した、ウイグル地区の人々と軍の衝突が拡大したため、急遽中国へ戻らざるをえなくなった。昨日はピサ、フィレンツエで有志のチベットの青年たちが「ウイグル地区で起こっていることは、われわれの問題と相似している。チベットに自由を!ウイグルに自由を!」とチベット国旗を掲げ、胡錦濤に抗議するため出かけていた。厳重な警戒下で大きな抗議は出来ず、しかし、胡氏の耳にはしっかりと届くであろう距離で抗議活動を行うことができた。その抗議のため、フィレンツエの警察で一時間ほど足止めを受けたが、もちろん、平和的な抗議活動であったし、また、イタリアの警察も充分に事情を知っているため、話し合いののち、ただちに解放された。


以下、胡錦濤の帰国をリポートしているリップブリカ紙を要約。
http://www.repubblica.it/2009/07/sezioni/esteri/g8-vertice-3/hu-jintao-parte/hu-jintao-parte.html

ウイグル地区で起こった暴動の拡大により、中国主席胡錦濤は、昨夜北京へ向けてイタリアを出発した。したがって今回、ラクイラで開催されるG8に、胡錦濤は参加しない。

Xingjiang地区で起こった、ウイグルのモスリムの人々と漢民族の暴力的な衝突により、今まで150人の死者、249人のけが人、また多数の逮捕者が出ているが、その衝突は、昨日トスカーナ地方を訪れていた中国主席を旅程を大きく変え、ピサの飛行場から北京へと向かわせることとなった。

したがってラクイラのG8には、国際経済の鍵を握る、地球上で最も人口の多い国の主席は参加しない。主席代理がラクイラへ残ることになる。

フィレンツエからローマへ戻る当初の予定は変更され、胡氏は昨夜23時ごろ、ホテルを出て、ピサの飛行場へ向かった。その後、胡氏はXingjiangnの衝突事件のため、北京に急遽戻ったことが報告された。中国大使館の発表は「Xingjiaga地区の内政問題のために主席は北京へ立った」というもの。


胡錦濤氏の今回のG8への参加は、待ち望まれていたものだった。世界的経済危機、リセッション終了の見通し、世界的な経済活動、発展の手助け、その鍵になるであろう中国に期待されていた。胡氏は、オバマ大統領、メルケル首相などとの大切な会談を控えていた。


もちろん、今回のG8でも中国の「人権問題」について無視されることはなかったはずだ。先に行われたイタリアのナポレターノ大統領との会談でも言及がなされていた。

(8 luglio 2009)